日本のチベット?
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昨晩も
Twitterで話に出ていた「六厩の寒さ」。
昨10月22日の最低気温は氷点下、-1.1℃と北海道並みの寒さでした。
「本州一寒い」は観測データからも裏付けられています。
六厩の寒さの原因は
こちらなどに詳しい解説がありますが、標高と土地の条件が生み出す寒さで、
本州で家の中からダイヤモンドダストが見られる場所としても知られています。
六厩のアメダスは1978年あたりに観測開始されたそうで、その後観測された最低気温は前出の
ページにも記載のある-25.4℃、1981年2月28日に記録されました。いわゆる「五六豪雪」の時です。
ところが岐阜県で観測された最低気温は、六厩ではないのです。 その場所は、なんと高山!
-25.5℃という本州とは思えない気温を記録しています。
ただしこれ、記録日は1939年2月11日。70年も前の記録です。
こちらのページをご覧頂くと分かりますが、20世紀初めに観測が開始された高山では、過去に
マイナス20度を下回る最低気温を幾度か記録するほどの寒い土地だったのです。
しかしこれはほとんどが第二次世界大戦前の記録。高山測候所のあった桐生町は、その頃は
田んぼの真っただ中でしたが、戦後宅地開発が進み、高山の人口も増えていってそれらの吐き出す
熱量が増え、盆地ゆえに暖気がこもるようになり、次第に高山盆地は冷えなくなってきたようです。
が、それでも六厩の最低気温の前日、1981年2月27日には-22.1℃を記録しています。
さすがに最近は-15℃を下回ることはなくなってきたようですが、年に数回は必ず-10℃以下になる
それが内陸性気候の高山という土地です。
高山と六厩では標高差があるので、戦前にもし六厩に観測機器があったらより低い気温を記録したの
でしょうね。
昨年の熱暑では、岐阜県の多治見で最高気温40.2℃を記録しましたが、65℃にもわたる温度差を
記録する岐阜県という土地の多様性は面白いですね。