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2008年07月14日

青春の飛騨高山

青春の飛騨高山
来る7月19日は、「幕末三舟」のひとり、山岡鉄舟の命日です。
明治21(1888)年没ですから、今年は没後120周年にあたります。
最近はNHK大河ドラマ「篤姫」の影響もあり、「幕末」はちょっとしたブーム。
その中では、割と地味な・・・名前だけは知ってるけど、勝海舟や坂本龍馬、西郷隆盛のような
華々しい人とは違い、何をした人かわからない、という方が多いのではないでしょうか。

実はこの人、「飛騨高山育ち」です。本姓は「小野」、父親は小野朝右衛門高福といい、
弘化2(1945)年から嘉永5(1852)年まで飛騨郡代を勤めた人物です。彼は出世した高齢の父親
(彼が生まれた時、既に父親は60歳を過ぎていた)の四男坊として今の高山陣屋に移り住んでいました。
天保7(1936)年生まれなので、今で言う9歳から17歳、最も物事を吸収する時期を過ごしています。

もちろん「お代官様のお坊ちゃま」、書道・剣道・禅学など、当時の高級武士の身に付けるべき教養は
全て「個人家庭教師つき」で叩き込まれました。書道は当時日本でも指折りの書家として有名だった
三之町出身の(当時の高山の文化水準の高さは、相当なものでした)岩佐一亭に学び、
剣については、何と江戸から北辰一刀流の講師を招いて(お代官!)修行に励んだほどです。
鉄舟といえば「剣・禅・書」の達人として今も名高いのですが、高山時代にしっかり勉強した事が
非常に活きていますね。親の威光を笠に威張り散らすようなこともなく、それどころか高山時代の
わずか満十四歳にして「修身二十則」という言行集を作っています。以下の通り。

一, 嘘を言うべからず
一, 君の御恩忘れるべからず
一, 父母の御恩忘れるべからず
一, 師の御恩忘れるべからず
一, 人の御恩忘れるべからず
一, 神仏ならびに長者を粗末にすべからず
一, 幼者を侮るべからず
一, 己に心よからず事 他人に求めるべからず
一, 腹をたつるは道にあらず
一, 何事も不幸を喜ぶべからず
一, 力の及ぶ限りは善き方に尽くすべし
一, 他を顧して自分の善ばかりするべからず
一, 食する度に農業の艱難をおもうべし 草木土石にても粗末にすべからず
一, 殊更に着物を飾りあるいはうわべをつくろうものは心濁りあるものと心得べし
一, 礼儀をみだるべからず
一, 何時何人に接するも客人に接するよう心得べし
一, 己の知らざることは何人にてもならうべし
一, 名利のため学問技芸すべからず
一, 人にはすべて能不能あり、いちがいに人を捨て、あるいは笑うべからず
一, 己の善行を誇り人に知らしむべからず すべて我心に努むるべし

ね?お坊ちゃまとは思えないでしょ?二十一世紀になって、ますますこの通りだと思っちゃいます。
彼は母の方針で、町人の通う寺子屋に行って、町の子どもに混じって勉強をしていたそうです。
お母様の教育も、素晴らしいですね。

その後父が亡くなり飛騨郡代の職を解かれ、彼は四男坊で実家も継げませんから、
山岡家に婿養子に入り、かなりの貧乏生活を味わっています。その後次第に頭角を現わしていきますが
お坊ちゃまとどん底生活を両方味わっていることも、彼の肝っ玉形成には良かったのかもしれません。

彼の生き方には、私が臨済宗に親しんだこともあり、非常に共感を覚えます。
彼についての資料サイトは、こちらとかこちらなんかが詳しいですね。

彼の墓は、亡くなった東京に有りますが、彼の父母は高山で亡くなった為、高山の宗猷寺に
現存しています。宗猷寺へ行けば教えて頂けますよ。

160年前の飛騨高山で、彼は何を見て、何を聞いて育っていったのでしょうね。
今、高山陣屋の前には、若き日の彼を模した銅像が建立されています。
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Posted by まこちん。 at 16:50│Comments(0)徒然に思ったこと
 
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