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2008年05月27日

早乙女の「サ」と「五月」の「サ」


早乙女・・・今は死語に近いよね。「海苔?」くらいしか思い浮かばないか。

「早乙女」の「さ」とは、稲作に関係した、日本文化の源流にある古語なんだそうです。
「さ」は稲作を擬人化した「神様」となっていて、普段は山の中(=異世界)に住み、
春、里の人に求めに応じて里に降りてきて、秋には山へ帰っていくとされています。

「早乙女(サオトメ)」は「稲を植える乙女」   「早苗(サナエ)」は「稲の苗」
「五月(サツキ)」は「稲を植える月」   というのが語源である、といわれています。
「桜(サクラ)」は「サの神様が降りてくる場所(座=「クラ」)」
「酒(サケ)」は「サの神様に捧げる飲み物(饌=「ケ」)」
これを入れるのが「杯(サカズキ)」(「カツキ」=入れ物)
「肴(サカナ)」は「サの神様の食事「菜=「ナ」)」
これを入れるのが「皿(サラ)」(「ラ」=広くて平らなもの)
それで桜の咲く時期には、桜の木の下で食べ物や飲み物を並べて神様を迎えるわけです。その時の動作が
「捧げる(ササゲル)」は「サの神様に差し上げる」
「しゃがむ(サガム)」は「サの神様を拝む」 ということらしい。
その時の状態が「幸い(サイワイ)」で「幸(サチ)」、その時に使う木が、日本中で見られる常緑樹のひとつ「榊(サカキ)」。 

神様の住む場所と俗界を隔てるための標識が「柵(サク)」「境(サカイ)」「塞(ふさぐ、古語「サエ」)(塞ノ神=道祖神)」
無事に秋に神様が帰ることを「栄える(サカエル)」
神様が帰る場所を判らなくなる状態を「さ迷う(サマヨウ)」
神様が運悪く暴れてしまうことを「障る(サワル)」  などなどなど・・・
ここまで列挙すると、単なるこじ付けや言葉遊びとは違う世界の「何か」が
「サ」という言葉には込められているようです。

白川郷に初夏の訪れ、14人の早乙女が田植え
 世界遺産として知られる岐阜県白川村の合掌造り集落で26日、初夏の訪れを告げる「白川郷田植え祭り」が行われた。
 すげがさに赤いたすき、もんぺ姿の早乙女14人が、田植え歌に合わせて手際よく苗を植えていくと、大勢のアマチュアカメラマンが一斉にシャッターを切っていた。
 昔ながらの農村を後世に伝えようと、白川郷観光協会が毎年行っている。稲刈りは9月下旬に行われる予定だ。
2008年5月26日 読売新聞
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Posted by まこちん。 at 12:22│Comments(2)飛騨のニュースから
この記事へのコメント
「サ」の話は面白いですね。
昔の生活は無くなっても言葉だけが生きているというのはいいものです。
もしかして飛騨弁の「~やサ」の「サ」も関係ある訳無いですね(笑)。
Posted by もいもい at 2008年05月29日 14:18
>もいもいさん コメントありがとうございます!

なるほどぉ~そこまでは気がつきませんでした(笑
でも面白い仮説ですね。
今度は、接尾語の変化なんかも調べてみます。
Posted by まこちん. at 2008年05月30日 15:32
 
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