2009年07月17日
きれいな景色にゃトゲがある。
山岳遭難事故としてはかなり大きなものになっている北海道・大雪山系(トムラウシ・美瑛岳)での
死亡事故。この原因は明白で「低気温による低体温症と、そのための準備不足」です。
このトムラウシ山系では、2002年7月にも遭難が起こっており2人が死亡。詳細はこちらのサイト。
死因は低体温症と凍死(!!)でした。今回もほぼ同じ状況が発生していると思います。
北海道の2000m級の山とは、中部山岳地帯の3000m級の山と同じ・・・
ということは、北アルプスでも同様のことは簡単に起こりえる、ということです。
森林限界を抜けた高山は、それ以下の標高の山と明らかに違う表情を持っています。
樹木の邪魔しない遮るものの無い眺望ということは、イコール荒れたらまともに風雨をかぶるということ
で、逃げ場がないということになります。
たとえ気温が10度でも、風雨にさらされて防水保温の備えがなければ、人は簡単に低体温症になる。
「残雪の山」とは、それだけ気温が低く雪が融け残っている環境だということ、
「きれいなお花畑」とは避難場所すら無い吹きさらしの場所に立っているということ。
こういう場所に行こうとする際は、天候が悪くなったら即中止。どんなにもったいないとおもっても
人命には替えられませんし、それを救助する人々の苦労と費用も察してほしいものです。
今年の夏の登山シーズンが始まりましたが、皆さんお気をつけて・・・ 無理は禁物です。
夏山訓練:奥飛騨で始まる--県警山岳警備隊 /岐阜
北アルプス飛騨側の遭難救助に活躍する県警山岳警備隊(堀部和男隊長)の夏山訓練が14日、
高山市奥飛騨温泉郷の双六岳(標高2860メートル)一帯で始まった。
24日までの日程で、同警備隊飛騨方面隊(岸英樹隊長)の32人が3班に分かれて
遭難者の搬送や歩行訓練などを実施する。
午前10時、ふもとの新穂高登山指導センターで訓練開始式があり、
隊員や、県警航空隊の中島健二郎隊長、高山・下呂・飛騨署の各署長らが参加。
田仲一英県警生活安全部長が「強じんな体力と不屈の精神力を養い、1本のザイルのように
チームワークづくりに努めてほしい」と訓示した。
毎日新聞 2009年7月14日
Posted by まこちん。 at 17:54│Comments(2)
│飛騨のニュースから
この記事へのコメント
ガイドに頼りっきり
そして、せっかく来たんだから
行ける所まで行こう遭難ですよね。。。。
今この状況では
ツアーは、中止すべきだった!なんて
冷静に言えるけど
やっとの思いで、北海道に行った現場で
天候が悪いから
ツアー中止なんて事になったら
私でも納得いかず
無理に行ってしまうかも・・・・
なんか他人事でないです。この事故。
そして、せっかく来たんだから
行ける所まで行こう遭難ですよね。。。。
今この状況では
ツアーは、中止すべきだった!なんて
冷静に言えるけど
やっとの思いで、北海道に行った現場で
天候が悪いから
ツアー中止なんて事になったら
私でも納得いかず
無理に行ってしまうかも・・・・
なんか他人事でないです。この事故。
Posted by 黒雷鳥 at 2009年07月18日 11:08
>黒雷鳥さん
例えば新穂高から槍や奥穂へ登る時
新穂高の天候が悪かったら迷わず中止すると
思うんですが、今回の場合は既にツアーの途中で
最終コースを強行したための悲劇ですね
しかも北アなどと違ってエスケープルートが無い。
東北や北海道の深山でなくても、北関東の山あたりでもエスケープルートの無い山は
慎重な行動が必要なんですが・・・
北アは大概エスケープルートがあり、
そうでない場所(雲の平とか)には山小屋があり
難をしのげます。これはありがたいですね
逆に笈ヶ岳あたりで遭難した時の事を
考えてみると分かりやすいと思います。
例えば新穂高から槍や奥穂へ登る時
新穂高の天候が悪かったら迷わず中止すると
思うんですが、今回の場合は既にツアーの途中で
最終コースを強行したための悲劇ですね
しかも北アなどと違ってエスケープルートが無い。
東北や北海道の深山でなくても、北関東の山あたりでもエスケープルートの無い山は
慎重な行動が必要なんですが・・・
北アは大概エスケープルートがあり、
そうでない場所(雲の平とか)には山小屋があり
難をしのげます。これはありがたいですね
逆に笈ヶ岳あたりで遭難した時の事を
考えてみると分かりやすいと思います。
Posted by まこちん。 at 2009年07月18日 11:34