早乙女の「サ」と「五月」の「サ」

まこちん。

2008年05月27日 12:22


早乙女・・・今は死語に近いよね。「海苔?」くらいしか思い浮かばないか。

「早乙女」の「さ」とは、稲作に関係した、日本文化の源流にある古語なんだそうです。
「さ」は稲作を擬人化した「神様」となっていて、普段は山の中(=異世界)に住み、
春、里の人に求めに応じて里に降りてきて、秋には山へ帰っていくとされています。

「早乙女(サオトメ)」は「稲を植える乙女」   「早苗(サナエ)」は「稲の苗」
「五月(サツキ)」は「稲を植える月」   というのが語源である、といわれています。
「桜(サクラ)」は「サの神様が降りてくる場所(座=「クラ」)」
「酒(サケ)」は「サの神様に捧げる飲み物(饌=「ケ」)」
これを入れるのが「杯(サカズキ)」(「カツキ」=入れ物)
「肴(サカナ)」は「サの神様の食事「菜=「ナ」)」
これを入れるのが「皿(サラ)」(「ラ」=広くて平らなもの)
それで桜の咲く時期には、桜の木の下で食べ物や飲み物を並べて神様を迎えるわけです。その時の動作が
「捧げる(ササゲル)」は「サの神様に差し上げる」
「しゃがむ(サガム)」は「サの神様を拝む」 ということらしい。
その時の状態が「幸い(サイワイ)」で「幸(サチ)」、その時に使う木が、日本中で見られる常緑樹のひとつ「榊(サカキ)」。 

神様の住む場所と俗界を隔てるための標識が「柵(サク)」「境(サカイ)」「塞(ふさぐ、古語「サエ」)(塞ノ神=道祖神)」
無事に秋に神様が帰ることを「栄える(サカエル)」
神様が帰る場所を判らなくなる状態を「さ迷う(サマヨウ)」
神様が運悪く暴れてしまうことを「障る(サワル)」  などなどなど・・・
ここまで列挙すると、単なるこじ付けや言葉遊びとは違う世界の「何か」が
「サ」という言葉には込められているようです。

白川郷に初夏の訪れ、14人の早乙女が田植え
 世界遺産として知られる岐阜県白川村の合掌造り集落で26日、初夏の訪れを告げる「白川郷田植え祭り」が行われた。
 すげがさに赤いたすき、もんぺ姿の早乙女14人が、田植え歌に合わせて手際よく苗を植えていくと、大勢のアマチュアカメラマンが一斉にシャッターを切っていた。
 昔ながらの農村を後世に伝えようと、白川郷観光協会が毎年行っている。稲刈りは9月下旬に行われる予定だ。
2008年5月26日 読売新聞

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