ギフチョウ (Luehdorfia japonica)
春の高山祭が終わり、
ゴールデンウィークまでの間に出てきます。
もう随分昔の話になりますが、中学に通っていた頃
高山市の飛騨の里近辺では、この時期結構な確率で
ギフチョウを見る事が出来ました。
今は、どうだろう?・・・
まだアゲハが飛ぶ前なので、色彩が美しく、羽根が
割合ギザギザで、ひらりひらりと飛ぶこの蝶は
まず他の種と見間違える事がありません。
幼虫の食草となるカンアオイ系の植物が生える
雑木林の近くなどに行くと、見る事が出来るかも?
現在の下呂市で発見されたので「ギフチョウ」という
名前がついた、岐阜県を代表する昆虫です。
捕まえず、花の蜜を求めて飛ぶ様をゆっくりと
眺めてみてください。
ギフチョウ:「春の女神」羽化 昨年より2週間早く--飛騨高山まつりの森 /岐阜
高山市千島町の観光施設「飛騨高山まつりの森」の自然の森で、春の女神・ギフチョウの羽化が昨年より2週間早く始まった。施設内にある世界の昆虫館の研究員の糸田尚さん(42)が10年前から、ギフチョウがすめる環境づくりに力を入れ、自然の姿を見られるようにした。
糸田さんが昨年5月中旬、自然の森で自然繁殖したギフチョウの幼虫約30匹を観察用に採取した。この幼虫はサナギとなり、今年3月ごろから温かい室内で保管しておいたところ、まず7日にオス2匹が羽化し、8日にも1匹が羽化した。
糸田さんは1998年から、自然の森と名付けた昆虫館の裏山約5ヘクタールに、ギフチョウの成虫が蜜(みつ)を好むカタクリや幼虫の食草になるカンアオイなどを植えてきた。そのうえで成虫を自然の森に放って産卵させ、幼虫を採集して繁殖させてきた。
昨年は計420匹の幼虫を確認しており、採取していない幼虫も落ち葉の裏側などでサナギになって越冬したとみられる。今月中旬から、次々と羽化が期待できるという。糸田さんは「春の行楽シーズンは訪れる人たちの目を楽しませるでしょう」と話している。
ギフチョウは羽をひろげると約5センチ。トラのように黄色の地に黒い線があり、後ろ羽には赤い紋と小さな青い斑点がある。各地で生息地が減少し、環境省の絶滅危惧(きぐ)2類に指定されている。【奈良正臣】
毎日新聞 2008年4月9日 地方版